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オリジナル妖怪退治ものがたり

この物語はフィクションです。

妖怪退治もの、らしきものです。
タイトルごとに別れた、よみきり作品。

f94e9308.jpg主人公:たまゆら (苗字か、名前か不明)
性別:不明 
年齢:300歳くらい
外見:10歳くらいの子供
身長:130センチくらい

丈の短い白い着物を着ており、素足にわらぞうりをはいている。
青いショートカット。
子供らしく素足を出している。
特徴は、赤い帯(着物の)と、赤い瞳。

地獄の番人をしている。
地獄から抜け出した妖怪どもを、回収するため人間界にやって来た。
鬼子母神[きしもじん]の、神子[みこ]で、並はずれた神通力を持つ。

※この物語は、フィクションですが、真言(呪文)は本物です。
 むやみに唱えて遊ばないようにして下さい。
 尚、実際に効果があるかどうは保障しかねます。

『密教呪術完全公開』 監修:中岡俊哉 小学館
『密教の本 驚くべき秘儀・修法の世界』 学研
『図説 日本呪術全書』 原書房 より、真言を引用しています。

※妖怪については、下記の書物を参考にしています。
『日本妖怪大辞典』 角川書店
『水木しげるの妖怪辞典』 東京堂出版
『水木しげるの続・妖怪辞典』 東京堂出版
『鳥山石燕画図百鬼夜行』 国書刊行会

※PCからの閲覧を推奨しています。
カテゴリー「ものがたり」は、本棚になっています。
各話別に一話ずつ読めるようになっています。
カテゴリー「よみきりもの」は、
よみきり作品が読めるようになっています。
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15歳未満の閲覧をお断りしています。

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全四話


前回のはなし







さとりわらわの怪
四話(終)



 新太郎の手がしびれてきた。もう、限界だ。
 彼は、ふと、たまゆらの言った言葉を想い出した。

『ぼくも[まも]るけど、きみ自身も気をつけてね』

 護る……。確かに、たまゆらは約束してくれた。それが、本当なら……!!

「たすけてくれ!! たまゆら!!」 

 新太郎は、思い切り叫んだ。雅巳[まさみ]は、不思議そうに新太郎を見つめた。

「たまゆら……? なんだ、それは」

 雅巳が[たず]ねたのと同時に、空から光が降って来た。
 光はやがて人間の形になり、青い髪を持つ子供の姿になった。

「なんだ、ありゃ」

 雅巳が、あんぐりと口を開けたが、新太郎は何も答えなかった。

護符[ごふ]よ、風となり[はな]となりて、護っておくれ! 風千華[ふうせんか]!」

 たまゆらが、[ふところ]から、護符を取り出し、息を吹きかけた。
 すると不思議なことに、護符が真っ赤な[はす]の花となって、新太郎達とたまゆらをふわりと受け止めた。
 ゆらゆらと、ゆっくり地上に舞い落ちて、新太郎達は無事に着地した。

「どうなってるんだ?」

 雅巳の問いかけに、新太郎は首をかしげた。新太郎にもわからなかったからだ。
 新太郎は、たまゆらに近づいた。

「ありがとう。助けてくれて」

 新太郎が、にっこりと微笑むと、たまゆらも微笑み返してくれた。

「きみは、山の神の化身なんだ。
 まだ、能力が低いようだけど……」

「えっ?」新太郎が驚くと、すかさず雅巳がたまゆらに訊ねた。

「おい! それは、本当なのか?
 だったら、さっきの地震を起こしたのも、新太郎なのか!?」

 たまゆらは、首を横に振った。

『いや、さっきの地震は神様がやったんじゃないよ。自然の力なんだ」

「たまゆら、僕を山の神って言ったよね? 一体、僕は何者なんだ?」

「さとりわらわ。それが、きみなんだ。
 山に住む大人しい神様。滅多[めった]に他人を傷つけない」

 たまゆらの答えに、新太郎は少し安心感を覚えた。
 ……他人を傷つける神様だったら、どうしようかと思っていたからだ。

「僕は、まだここにいてもいいのかな?」

 新太郎が、たまゆらに問いかけると、たまゆらは、大きく肯いた。

「もちろんだよ。そのために、ぼくは助けに来たんだ」
 
「ありがとう」

 新太郎が礼を言うと、たまゆらは瞬時に姿を消した。

 ……神様。
 そんなものが、この世に存在するなんて……。
 僕が、神様なんて。

 新太郎は、自分でも信じられなかった。

「さっきのやつ、一体、何者だったんだ?」

 雅巳が新太郎に問うと、新太郎は笑顔で答えた。

「神様だよ。僕たち子供を護ってくれる、神様なんだ」

「なんだって。そんなこと……。
 あ、でも、あんなことできるのは、人間には無理だもんな」

「ねぇ、雅巳くん。もう、他人をいじめるのやめなよ」

 新太郎が言うと、雅巳はばつが悪そうに頭をかいた。

「そうだな……。お前には借りが出来ちまったし。
 わかったよ。もう、誰もいじめねぇよ。死にかけたしな」

 新太郎は、雅巳の心を読んだ。彼は本心から言っている。
 雅巳の決意に、新太郎は、ほっと胸を撫でおろした。

 他人のこころを読むことは、恐ろしいことだ。
 だけど、誰かを護るためにも、きっと役に立つ。
 ううん。役に立たせてみせる。

 たまゆらが、僕にしてくれたみたいに。
 僕が人間に何かしてあげたい。

 さんさんと輝く太陽を[なが]めながら、新太郎は強くこころに誓った。
 

 おわり
全11章(20話)

生まれてはじめてのクリスマス!
破魔天使と共に、悪い妖怪をやっつけろ!

ぷろろーぐ
1章(1) (2)
2章(1) (2)
3章(1) (2)
4章(1) (2) (3)
5章(1) (2)
6章(1) (2)
7章
8章(1) (2)
9章(1) (2)
えぴろーぐ

全四話


前回のはなし



さとりわらわの怪

三話




 ――翌日。
 いつもと変わらない朝がやってきた。
 新太郎は、清次郎に挨拶[あいさつ]をすると、重い足取りで学校へ向かった。


 ……本当は休みたかった。
 しかし、休めば清次郎の心が重くなるのを、新太郎は知っていた。
 学校へ向かいながら、新太郎は昨日のことを考えていた。


 たまゆら。
 あの子は、鬼子母神[きしもじん]の子供だと言っていたっけ。
 じゃあ、僕は何者なんだろう?
 たまゆらに聞けばよかった。僕は何者なの? って。
 ……でも、なんとなく、わかる。
 僕は、人間じゃない。
 だから、人間に怖がられているんだ。


 学校へ辿[たど]り着くと、新太郎の隣の机に花が置かれていた。
 白くて小さな花。
 どこにでもありそうな雑草。
 けれど、それは机の上に乗ることで、全く別の意味に変わる。

「今日、[あつし]は死んじまった」

 新太郎はビクリとした。


 ……おかしい。敦君は生きている。
 僕には解る。今、廊下から教室へ入ろうとしている。
 あれ? 変だな……。
 たまゆらが言っていたのは、僕の方が危ないんじゃなかったっけ。


 がらり。扉が開いて敦が教室へ入って来た。
 6人しかいなかった教室に、1人が加わっただけで、一気に空気が重くなった。

「これ、何の冗談なんだ」

 敦は、乱暴に花を払って机から落とした。

「何って、敦の葬式に決まってんじゃん」

 ガキ大将の雅巳[まさみ]が、けらけらと笑った。
 続いて、2、3人の男の子と女の子が笑った。
 敦が、泣きたくなるのをぐっと[こら]えるように、歯を食いしばっている。
 そのことを、誰よりも痛感していたのが、新太郎だった。

「もう、やめようよ」

 新太郎は立ち上がり、雅巳を[にら]みつけた。
 雅巳は、新太郎の胸ぐらを[つか]み、[こぶし][にぎ]りしめて[なぐ]りかかった。
 新太郎は即座に心を読み、どちらに[]ければいいのかを判断すると、素早く攻撃をかわした。
 雅巳のパンチは、勢いよく[かべ][]ちつけられた。

「いてっ!!」

 手をぶらぶらとさせて、痛がる雅巳。

「この野郎!!」

 雅巳は新太郎の腕を引っ掴み、窓際に立たせた。
 半開きになっている窓から、冷たい風が流れ込んできた。
 再度、雅巳が殴りかかる。
 新太郎は、素早く避けようと……。

 グラグラ……!!

「うわっ!!」

地震が起きて、新太郎の視界が大きく揺れた。

「た、助けてくれ!!」

 次の瞬間、下の方から雅巳の声がした。
 見ると、窓枠に必死で掴まっている雅巳の姿が見えた。


 早く、助けないと……!!


 新太郎は、素早く雅巳の手を掴んだ。
 ぎゅっと握りしめた手に力がこもる。
 ――次の瞬間、

 グラグラ……!!

 再度の地震で、新太郎はバランスを崩し、落ちそうになった。
 なんとか窓枠にしがみついて、落下を防いでいる。
 ここから落ちたら、一巻の終わりだ。
 万が一、助かったとしても、ただではすまないだろう。
 雅巳は、情けない声で新太郎に[わめ]いた。

「お、おい! て、手を……!! 手を離すんじゃねーぞ!!」

「あたりまえじゃないか。誰も死んじゃいけないんだ」

 地震はなんとか[おさ]まったが、新太郎の手がしびれてきた。


 誰か……!! 誰か、助けて……!!


 新太郎は、心の中で叫んでいた。


 つづく
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 もくじ

全20話 11章構成


 

第3章

 
正体不明の黒い影 

(2)


 


 2階の遊歩道[ゆうほどう]から、いつきが1階のぼくのいるタクシー乗り場まで舞い降りて来た。
 いつきの姿は、本人の姿によって、ひとの前に現れることも消えることも出来るから、誰も不思議に思わなかった。
 ただ、いつきによって回復させられた女のひとは、ひとりでに[きず][]えたから不思議に思っているかも知れないけれど……。
 
 先ほどのタクシーから降りて来た男のひとが、真っ直ぐに、ぼくの方へ歩いて来た。

「おい、君。あの化け物は一体……」

 どうやら一般のひとにも、化け物の姿は見えるらしい。
 あの化け物は、ひとを[おそ]うために姿を表しているみたいだ。

 男のひとは、ぼくが一時的に動きを止めさせている化け物を、指差[ゆびさ]ながら[たず]ねてきた。
 ぼくの姿は、さっき遊ぶために姿を現したままだったから、男のひとの目に見えているのは当然だけれど。

「お兄さん、どこか、ひとがいないところって無い?
 良かったら、教えて欲しいんだけれど」

 ぼくが、お兄さんに訊ね返した。

「えっ!? どうして??
 きみ、もしかして……あぶないことをやってるんじゃ……」

 20代半ばくらいのお兄さんは、ぼくを[うたが]うような目つきで見た。

「あぶないって??」

 ぼくは、きょとんとしてから、話を続けさせてもらった。

「とにかく、あの化け物は、お兄さんたちを襲うよ!!
 だからなるべく、遠くへやらなくちゃ!!
 他の人たちを巻き[]えにしないような場所を、どこか知らない!?」

 ぼくはイライラしながら言った。
 速くしないと、ぼくの呪術[じゅじゅつ][]けてしまう。
 そうなったら……。

「それなら、ここからずっと南に行った、黒川[くろがわ]っていう川なら、ひとがいないんじゃないかな。
 クリスマスの寒い時期に、水辺[みずべ]にいる人は少ないし、あそこは堤防[ていぼう]になっていて、[]り禁止になってるから、誰もいないと思うよ」

 ぼくはそれを聞いて、お兄さんにお礼を言うと、
<破魔天使(はまてんし)>の<いつき>に、ぼくをそこへ運んでもらうように言った。

「ぼくが、[れいりょく]を放出して、あの化け物を引き[]せるから、いつきも手伝ってくれ!!」

 ぼくが言うと、

[わか]った。そもそも、わしがこっちにあの化け物を連れて来たのが間違いじゃったのだから……」

 いつきが頭をかいて反省[はんせい]した。

「速く!! 早く、奴をここから[はな]さなくちゃ!!」

 ぼくは、いつきを[]かした。

了解[りょうかい]じゃ!!」

 いつきは、ぼくを後ろから抱きかかえて、大きな[つばさ]で空を飛んだ。

 もちろん、空を飛ぶ前に、ぼくは人間に姿が見えないようにした。

 高く空へ舞い上がり、霊力を最大限近くまで放出したぼく。
 そのぼくの霊力に[]い寄せられ、あの化け物がぼくたちの後を追いかけて来た。

 第3章、おわり
 第4章へつづく

  
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お化け大学校壱怪生です
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